2ch.net運営名義変更&「5ちゃんねる」へ名称変更 今後の運用や対策は?

フィリピン証券取引委員会のウェブサイトにLoki Technology, Inc.の情報が反映されたことを受けて、記事内容を一部追記・修正をいたしました(2018.5.2)。

Loki Technology, Inc.への運営権譲渡と5chへの名称変更

従来、フィリピン法人「Race Queen, Inc」によって運営がなされていた電子掲示板「2ちゃんねる」(2ch.net)について、2017年10月1日付で運営権が「Loki Technology, Inc.」に譲渡されたとの発表がありました。

また、同時にサイトの名称も2ちゃんねるから「5ちゃんねる」に変更され、ドメインも「2ch.net」から「5ch.net」へ変更されました。

その理由は? 商標権?

2ちゃんねるについては、2014年より創設者の西村博之氏と、Race Queen, Incおよびその代表であるジム・ワトキンス氏との間で運営を巡る紛争が続いており、西村氏側は「乗っ取り」であるとの主張から、2ch.netの投稿を自動的にコピーする機能を有する新たな2ちゃんねる、2ch.scを立ち上げました。

なお、「2ch.net」というドメインについて、その帰属をめぐる争いも発生しておりましたが、世界知的所有権機関(WIPO)の調停仲裁センターは、2ch.netドメインを西村氏側に移転すべきとの申立てを棄却しており、Race Queen, Inc、ジム・ワトキンス氏側が勝利している状況です。

では、なぜ勝利した側が名称とドメインの変更に至ったのか?

もちろん複合的な要因があるとは思いますが、法的に考察するとポイントは商標権にあるのではないかと予想されます。

2ちゃんねる商標

現在、電子掲示板等に関する「2ちゃんねる」という商標は、西村博之氏が保有しています(登録5851035)。

この商標権は、前述のWIPOの裁定でドメインの帰属が決定したことはまた別の話であり、西村氏に無断で2chや2ちゃんねるといった名称で電子掲示板を運営することは、この商標権を侵害することになってしまいます。

この状態では安定した掲示板運用は困難でしょう。

5ちゃんねる商標

他方、「5ちゃんねる」の商標権は、2016年6月15日に出願されており、2016年12月9日に商標登録されています(登録5903023)。

出願・登録の名義人は 「ロナルド アーサー ワトキンス」です。

このロナルド アーサー ワトキンス氏は、Race Queen, Incの代表ジム・ワトキンス氏の息子であり、Race Queen, Inc運営体制の2ch.netにおいてハンドルネーム「Code Monkey★」として、運営にも深く関わっていた人物です。

5ちゃんねるへの名称変更により、商標法的にも何ら問題なく運営できる体制を整えたといえるでしょう。

Loki Technology, Inc.体制で削除や情報開示はどうなる?

実質的な運用変更はない

5ちゃんねるのウェブサイト上に掲載されている、削除ガイドラインについては、Race Queen, Inc時代と実質的な変更はなく、また旧運営側の人間が5ちゃんねるの商標権を保有していることを考えても、実質的な運用の変更なないものと思われます。

実際、当事務所でも10月1日以降、何件か”5ちゃんねる宛て”に削除依頼を行っておりますが、従前と同様に対応されています。

Loki Technology Inc.とは?

5ちゃんねるのガイドラインによると、「Loki Technology Inc.を名宛人とする裁判所の決定については、原則として従う。」との記載があり、裁判を行う場合にはLoki Technology Inc.を相手とすることが求められているようです。なお、この箇所は従前はRace Queen, Incの名称が記載されていた箇所です。

フィリピンの制度では、法人は証券取引委員会に登録をすることが義務付けられており、毎年年次報告を委員会に提出することになっております。
運営名義変更の発表後、ならがくフィリピン証券取引委員会のウェブサイトにLoki Technology Inc.の情報が反映されず、その詳細が確認出来ない時期が続いておりましたが、2018年3月にようやく証明書の発行がなされるようになりました。

フィリピン証券取引委員会に提出されたLoki Technology Inc.のGISによると、法人の設立登録日は2017年8月30日、日本で言う代表取締役にあたる「President」として、フィリピン人の”WILSON M. ORJE”氏が登録されています。”WILSON M. ORJE”氏は、5ch.netドメインのwhois情報にも名前の記載があります。

フィリピン証券取引委員会よりLoki Technology Inc.の資格証明書の取得も可能となったことから、今後5ch案件については、従前通りメールでの交渉→Loki Technology Inc.を相手に仮処分の申立てという流れとなります。


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弁護士延時千鶴子
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