投稿者特定手続における3つの留意点

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弁護士松本 紘明

弁護士法人戸田総合法律事務所代表。
お客様のニーズをくみ取り、課題を解決できる具体的な方法をご提案するよう常に努めています。インターネット上のトラブルは初期対応が非常に重要ですので、少しでも不安に思うことがあれば是非お問い合わせ頂ければ幸いです。 

投稿者特定手続を行うにあたって留意すべき3つのこと

投稿者特定手続を行っていることは通知されます

投稿者を特定する手続を行う過程で、投稿者が契約している通信事業者に対して情報提供を求めることになりますが、通信事業者から契約者に対して情報の開示してもよいか意見照会がなされることになっています。

したがって、投稿者がこの通知を受け取った時点で投稿者特定の手続を行っていることを把握できることになります。

ただし、意見照会は通信事業者との間で契約を行っている者に対してなされる関係で契約者とは別の者が通信端末を利用している場合には、実際の投稿者には意見照会の書面が届かない場合もあります。例えば、法人契約の携帯電話を従業員が用いて投稿を行った場合や親の名義の携帯電話を子どもが利用している場合などです。

なお、この意見照会がなされることを恐れて投稿者特定手続を躊躇される方もいらっしゃいますが、意見照会手続への返答次第では投稿者がどのように考えているのか把握できること、投稿者に対して冷静になる機会を与えられることから意見照会にはメリットがあるように感じます。

投稿者特定手続には時間的制約があります

一般的に、投稿者特定手続では掲示板の管理者から情報を入手したうえで、その情報を元に通信事業者に対して契約者の情報開示を求めるという2段階構造になっています。ただ、掲示板も通信事業者もいずれも情報を無期限で保存しているわけではなく、数カ月しか情報を保存していません。ですから、情報を発見してもこれを放置していると情報が消去されてしまっていることがあります。手続を行う場合には迅速な判断が必要です。

投稿者を特定しても損害賠償金を回収できないケースがあります

投稿者を特定できたとしても、投稿者が経済的に困窮しているケースなどでは裁判所で損害賠償金を回収することができないことがあります。この場合にはせっかく支払った削除費用や投稿者特定に関する費用も最終的に自己負担となるリスクが存在します。これは裁判所が金銭賠償請求を認容する判決を下した場合でも同様です。

またときには転職サイトでの事実無根の投稿を理由に損害賠償請求を行ったところ、反対に残業代を請求されたというケースもあり紛争が拡大したケースもゼロではありません。元従業員への請求を行う場合などではどの範囲までアクションを起こすのか事前に検討が必要です。


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弁護士延時千鶴子
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